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藤岡研究室

基礎物理学分野・実験

東京工業大学理学院物理学系

陽子と中性子の2種類から構成される原子核はそれ自体興味深い研究対象ですが, 本研究室は、陽子や中性子の仲間を総称したハドロンの性質や, ハドロン同士の相互作用などを調べるための手段として, 原子核を活用した実験的研究を行っています. 主に, 大強度陽子加速器施設 (J-PARC) や 東北大学電子光理学研究センター (ELPH) で実験を行います.

  • ハイパー核は, ストレンジクォークを含むバリオンであるハイペロン (Λ粒子など) を構成要素として含む原子核です. 陽子・中性子の間に働く核力の概念をハイペロンの自由度にまで拡張し, 強い相互作用を記述する量子色力学 (QCD) の観点から 原子核の成り立ちを解明することが究極の目標です. まだ見つかっていないダブルΛハイパー核を発見することを目指したJ-PARC P75実験を提案し, 準備を進めています. Λ粒子とΛ粒子の間に働く力について情報を引き出すことができます.
  • ハドロン物理は, 強い相互作用をする粒子の総称であるハドロンを調べる分野です. 軽いクォークで構成されているハドロンの性質は, 「カイラル対称性の自発的破れ」の影響を大きく受けていますが, 原子核の内部のような高密度ではカイラル対称性の自発的破れの度合いが低減 (部分的回復) すると考えられています. そのような環境下でハドロンの性質がどのように変化するかに興味があります. 特に, η'中間子という重い中間子が原子核の中で軽くなるのではないか, という理論予想に基づき, 東北大学電子光理学研究センターやドイツ重イオン研究所 (GSI) で実験を行おうとしています.
  • 陽子・中性子の間に働く力は強い相互作用が支配的ですが, 弱い相互作用も作用しています. 弱い相互作用ではパリティや時間反転対称性を破ることが許されますが, 時間反転対称性の破れを探す実験がNOPTREX実験として提案されています. NOPTREXは主に日米の多くの大学が参加するコラボレーションですが, 東工大藤岡研も2018年より参加しています. 破れの度合いは極めて小さく直接観測することは困難ですが, 中性子を吸収させた原子核の複合核において破れが大きく増幅される理論的可能性が指摘されています. 実験は, J-PARC の物質・生命科学実験施設 (MLF) にて行われています.

Projects

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ハイパー核物理

$\Lambda$粒子を2つ含む原子核を作る

中性子物理

中性子と原子核の反応を用いて標準模型を超える物理を探す

中間子原子核

有限密度に中間子を置いて性質変化を探る

Recent & Upcoming Talks

$\eta'$中間子原子核の実験的研究を通じてη′中間子の質量の正体に迫る

π中間子と同じスピン・パリティを持つη′中間子は、量子色力学における軸性量子異常の影響により、陽子をも超える極めて大きな質量を持つ。近年、η′中間子の質量と量子色力学におけるカイラル対称性の破れを関連づけた議論が行われている。真空中において自発的に破れているカイラル対称 …

時間反転対称性の破れの探索に向けた$^{103}\mathrm{Rh} $ の $\mathrm{(n,\gamma)}$反応の測定

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標的候補探索 $^{103}\mathrm{Rh}$

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